走り出す


(連載コーナー「今日は何の日ね」は作者取材のため休載いたします)

 

かつて一世を風靡したとあるミュージシャンは、

15才の頃、盗んだバイクで夜のとばりの中を駆け抜け、青春を謳歌したそうです。

 

かたや、

私、富田のteenage memoriesといえば、彼のような詩的な情景とは

ほど遠いもので

体育の授業のあと教室に立ちこめる三大臭(汗・制汗スプレー・弁当)の

混沌でしかありませんでした。

 

そんな思春期の思い出を払拭したくて、

21才の時に買ったのがこれでした。


2009121801.jpg


注:盗んでません。

 

YAMAHA  YD250(昭和61年式)20馬力 乾燥重量136.5kg

(用途:おもに商用...郵便、宅配など)

 

なけなしの財産をはたき、

「ついに僕にも15の夜が来た」

「僕も尾崎豊氏になる時が来た」

「つまり、モテる」

と、ほぼ本気で思っていた僕。

 

 

しかし...

 

コレを買った当時、すでに若者向け二輪車はビッグスクーターの時代であり、

僕の学校(丘の上にあるので二輪・原付保有率が異様に高い)のイケメン君たちは

こぞって最新のビッグスクーターを手に入れ、

楽しい二人乗り生活を送っていたのでした。

 

結局、時代遅れのオンボロ商用バイクの後部座席に"特定の誰か"を

乗せることはできず、

僕の大学4(+1)年間は終わりました。

僕の心の師は尾崎豊氏から河島栄五氏に代わりました。

 

あれから何年か経ちました。

昭和生まれの愛車はだいぶ元気がなくなってきましたが、

それでも、もうしばらくはこのバイクに乗り続けようと思います。

では、行ってきます。


2009121802.jpg


注:不審者ではありません。

 

富田賢一

 

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